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親族間で不動産共有は難しい…。不動産相続トラブルを防ぐコツ

日本は超・高齢化社会に突入しているといえるでしょう。近年、これによって問題が生じているのが、相続トラブルです。
相続トラブルは家族関係や親族関係に深刻な遺恨を残すこともあるため、理想としては生前にきちんと準備をしておきたいものです。
しかし、まだ相続を経験したことがない人であれば、「なぜ、争いが生じるの?」と、疑問を持つ方もいるかもしれません。今回は、相続時の共有不動産トラブルを事例に、相続争いについて解説します。

相続によって共有状態になった不動産。トラブルになる?
Aさんには、Bさんという兄がいました。二人の父親は既に他界しており、その後母親も病で他界しました。母親は、財産として戸建ての持ち家を所有していました。この戸建ては、弟Aさんと父親がお金を出し合って建てた家でした。
父親が他界したとき、母親が父親の持ち分を相続し、最終的に、その持ち分が各兄弟に相続されてました。弟Aさんが4分の3、兄Bさんが4分の1の相続持ち分です。弟Aさんは長く父母と同居していたため、引き続き、自分がこの家を譲り受けて住み続けるつもりでいましたが、兄Bさんが、この4分の1の権利を頑なに主張してきたのです。

不動産はケーキのようにカットして、切り分けることもできません。
そのため、このように相手が主張を譲らない場合は遺産分割の手続きも進めることができず、議論も平衡状態になってしまいます。

不動産における共有トラブルを防ぐには、売買・贈与
このパターンで問題になっているのは、兄Bさんの4分の1の持ち分です。これをどうにかして解決することになるのですが、この場合は、売買、または、贈与という方法で解決策を検討することになります。結局のところ、弟Aさんの解決手段として現実的なのは、兄Bさんの持ち分4分の1を買い取ることとする交渉方法でしょう。
このようなケースでは、お金で穏便に解決というパターンが多いのが実情です。この状態を長く放置していては、更に状況が悪化する恐れもあるため、早めに解決に動きだすのが良いでしょう。

不動産については共有とならないように、事前に遺言書等で準備を!
相続財産の不動産が共有になって争いが生じる可能性があるかは、事前にある程度判断をすることが可能です。もし、争いが生じる可能性があれば、あらかじめ家族で協議したり、遺言書等を作って準備をするのがベストです。
しかし、こういった「準備」というのは、親にしてみれば自分の死と見つめ合うことにもなります。そのため感情的な理由もあり、事前の準備というのは、手続き以上にハードルが高いことが多いです。

【監修:弁護士 山村 暢彦】

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