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災害時の不動産トラブルと法律問題とは?

不動産を所有していると災害が起きた際に、深刻なトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。自然災害はどのような規模で、どれだけの被害をもたらすかは予想が難しく、自分が被害者になるだけでなく、加害者になってしまうこともあります。
今回は災害時の不動産トラブルについてご紹介します。

災害時には、どのような不動産トラブルが想定されるのか?
【地震】
地震では、自宅の外壁が倒壊して、歩行者にケガを負わせてしまうなどのケースが想定されます。また、賃貸物件では地震で建物が損傷してしまい、その後の修繕がなかなか進まず、賃借人が長期間もとの生活に戻れず、困ってしまうケースなどがあります。

【暴風】
近年、台風の異常発生などが取り上げられています。
自宅の設置物が暴風で飛ばされてしまい、隣の敷地まで飛ばされて、隣家の住宅や車に傷がつくなどが考えられます。さらに最悪のケースでは道行く人にケガを負わせてしまうなど、予想できないトラブルが生じます。

【豪雨・洪水】
豪雨や洪水は、賃貸大家さんに深刻なダメージを与えることがあります。
例えば、経営しているアパートの1階が床下浸水したことで、入居人から「住めない間はホテルを借りるから、その費用を補償しろ!」というような請求を求められるなど、このようなトラブルも珍しくないようです。

自分が加害者になるケースも存在する
一番懸念するべきは、災害を発端にして、自分が加害者になってしまうことです。補修が必要な工作物を補修せずにいて、自然災害時に、それにより第三者がケガを負ったなどというケースでは、工作物責任を追及されることになります。
住居以外にも、例えば老人ホームなどでは台風による被害で避難のタイミングの判断を誤り、河川氾濫による浸水で、入居者の老人が亡くなったという場合です。
このようなケースでは安全配慮義務を怠ったと、経営者側が損害賠償請求される恐れがあります。

つまり、個人でも事業者でも、災害による不動産トラブルで加害者になる恐れが、誰にでもあるのです。

災害による不動産トラブル解決には、深い法律知識が必須
もし自分が災害によって、不動産トラブルの加害者、・被害者になった場合は、状況が深刻になる前に弁護士に相談をしましょう。自然災害における不動産トラブルは深い法律知識を必要とします。
インターネットや本で読んだだけの知識では、判断を間違える可能性が、非常に高いと言えます。

日本は、災害が増え続けることが予測されます。十分に注意が必要と言えるでしょう。

【弁護士の一言】
実際に災害が起こってしまった場合に備えて、地震被害まで含めた保険への加入が、物件オーナーとしては必須ではないかと思います。
もっとも、ただ火災保険に入ればよいと考えていると落とし穴があります。どのような地域で、どのような震災が多発しているのか。それによって、どのような賠償内容の保険に加入するのか。保険加入時には安易に保険担当者に任せずにどのような震災被害を想定して、どこまでの保険料をかけるのかしっかりと検討する必要があるでしょう。

【監修:弁護士 山村 暢彦】

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