解決事例:千葉県の土地取引トラブル解決(外国会社経営者の依頼)
・取引交渉サポート
・訴訟を回避
・多額の土地取引が成約した事例
あと、一歩で、契約終了なのに…
ご高齢の方が、少し郊外の土地で、引退後をゆっくり過ごすための土地の売買取引でした。土地の価格・条件にも
折り合いがつき、水道・電気などの整備も進み、あとは代金を支払って土地の引渡して終わりと、99%取引が終了
の段階で、私のところにご相談となりました。
不動産仲介に入った業者さまのご紹介で、買主側さまからのご依頼でした。
代金支払のトラブル…
皆さんも、ご経験があるのではないでしょうか?
いざとなったときに、買主さまが代金を支払えない…。
今回は、支払うお金自体は用意できる、ただ、買主さまが、海外でのお仕事が多く、送金に遅れてしまったという
のです。
「少しぐらいの遅れなんて普通なのでは?!」と思われるでしょうが、売主側の不動産会社の会長が、非常に頑固
な方で、
「契約書の記載がある。それに違反したんだから、手付も没収だ!」と、
一切、融通がきかないのです。
契約書の記載は大事
少しぐらい支払遅れたぐらいなら、そのまま支払って、契約が成立するのが一般的でしょう。なので、支払が少し
遅れたぐらいで、即座に契約違反、手付金没収というのは、やりすぎに感じるでしょう。
ただ、そうはいっても、相手が代金を受け取り拒否する以上、買主側としては、対応が難しいです。裁判所にいっ
て、裁判をやれば、買主側の言い分を認めてもらえる可能性は十分あると思いました。ただ、「契約書」に従うと相
手の言い分も一理あるので、勝つとしても、かなり長引くことが予想されました。
交渉による再契約
売主側には、常識外れな言い分でしたが、買主側も契約書に従うと、なかなか難しい。いずれにしても、裁判にな
れば、白黒つけるのに、お互いかなりの負担になると考えました。
そのため、売主側に、このまま訴訟になるデメリットを説明し、当初の契約通りにリスタートするように働き掛け
ました。
裁判になると、勝敗も定かでなく、何より時間とコストがかかる、それなら、感情的なところは目をつぶっても、
この件は丸く収めて、他の取引に時間を使ったほうがいいんじゃないですか。
既に、私のように弁護士が動いています。ここで、話がまとまらないと、裁判になってしまいますよ、といった感じ
です。
穏便な解決
これを、当事者で感情的になっている会長に、いきなり話しても、まとまらないので、時間を使いながら、まずは
担当者を説得し、そして、会社を実質的に仕切っている番頭さんを説得し、なんとか売主側の会長も説得することが
できました。
買取代金に、支払が遅れた分の多少の利息を付けたうえで、なんとか話をまとめることができました。
「代金支払が遅れただけでしょ?そんなんで大事になるの?」といった感想を持たれるかと思います。
ただ、もともと買主さまからは、「訴訟」を依頼されていました。 今回のような些細なトラブルでも、訴訟に発展
しかねないのです。
☆教訓☆
⇒契約書は、紛争時のスタートライン ⇒ 相手を「動かす」のは簡単ではない
【文責 弁護士 山村暢彦】