借地権付き建物にトラブルが多いのは、なぜ?
建物は土地の上に建っているため、この二つは密接な関係となっています。そして、この土地と建物の関係が密接であるために争いが生じるケースがあります。
戸建て住宅などであれば、土地と建物の所有者が同一であることが想定されます。しかし、中には土地だけを他人から借りて、その借地権に基づいて、自分の自宅を建築して住んでいる人もいます。
実は、この土地と建物で所有者が異なる場合で、争いに発展することが、しばしば見受けられます。
値上げのトラブル
土地を借りて住んでいる人は、土地の賃料を地主に支払うことで土地を借りています。通常は決められた賃料を払っていれば、なんの問題もありません。
しかし、ある日突然、地主から「来月から賃料を値上げする」と伝えられた場合、どうすればいいのでしょうか。ここで値上げ要求を拒否することで、地主と借主の間の関係が悪化して、トラブルとなることもあります。
同額の家賃を持っていったところ、受け取り拒否‼ こんな時は、どうする?
借地権者は、賃料の値上げを拒否したとしても、毎月の賃料は支払う義務があります。そこで地代を地主にもって行くと、「賃料を受け取らない」と受け取り拒否されることがあるのです。
このような場合は、どうすればいいのでしょうか。
この賃料の支払いは、相手が受け取りできない場合や受け取り拒否をする場合に、「供託」するという方法で支払うことが可能です。
供託とは法律に基づき、金銭、有価証券、その他の物品を供託所というところへ預けることを言います。この供託を行うことで、賃料の支払い義務がある人は、未払いによる債務不履行によって生じる不利益を回避することが可能です。
弁済供託は、誰に頼めばいい?
供託を相談・依頼する場合は、司法書士や弁護士に相談することになります。では、どちらに頼むのが適当なのでしょうか。
例えば、今回のような賃料の値上げ交渉などでトラブルが生じている場合や、後に深刻な問題に発展する懸念事項がある場合は、弁護士に相談するのが良いでしょう。供託や賃料の支払いだけでなく、後のトラブルを予防する意味でも総合的なアドバイスを受けるのがベストであるため、このようなケースでも、弁護士に相談してみるのが良いでしょう。
【監修:弁護士 山村 暢彦】