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不動産競売物件の基本と注意点

不動産を購入するときは、不動産会社に売買や仲介を依頼して購入することが多いのではないでしょうか。しかし、不動産の購入には、裁判所で行われる「競売」に参加することで物件を購入するという方法も存在します。

そもそも、競売物件とは?
競売物件は、裁判所が行う競売に出されている物件です。
競売物件には不動産を担保にお金を借りたけれども、結果的に返済ができず、債権者によって差し押さえられた不動産という背景があります。競売で売れた代金は、債権者に支払われ債務の返済に充てられます。このような債権者の満足を図るために、裁判所による競売手続きで売却される物件を競売物件といいます。

競売物件、どこで探す?
競売物件は、その物件の所在地を管轄する裁判所で入札されます。そのため自分が住みたい地域の物件を探す場合は、その地域を管轄する裁判所の競売物件情報を探すことになります。

競売物件、どのくらいお得に買える?
競売物件は、市場価格の3割減で購入することができると言われています。
これは通常の不動産のように、売り主の立ち退き、鍵の引き渡し、付帯設備の点検修理、残置物の撤去、瑕疵担保責任(契約不適合責任)が保障されていないため、このような低価格が成立するといえます。

競売物件の注意点
前述の通り競売物件は価格が市場価格の3割ほど安いですが、法的保護を受けることができません。

①引き渡し義務
不動産会社などから物件購入した場合、所有権の移転に加えて物件の「引き渡し義務」も発生します。裁判所は所有権の移転までは可能ですが、物件については自分で明け渡しを求めることになります。

②瑕疵担保責任(※2022年4月1日以降は、「契約不適合責任」に改正)
通常の不動産取引では、購入後に隠れた不具合があれば、売り主である不動産会社にその責任を追及することが認められています。しかし、競売物件では瑕疵担保責任(契約不適合責任)がないため、重大な瑕疵があっても、誰に対しても責任追及ができません。

③ローンは組めない
競売物件は売却許可決定から代金納付までの期間が、1か月程度しかありません。そのため、手持ちの現金があるか、金融機関から融資を引き出せる人などでなければ、入札参加は難しいと言えます。

【弁護士の一言】
「競売物件なんてあるんだ!」という紹介のために本記事を作成しましたが、一般的には競売物件の購入はおすすめできません。
まず、一般的に市場価格より「安い」と見えますが、残置物の処理や法的トラブルが付随した状態になっている可能性もあるので、「綺麗な状態」で買えるものではないのです。また、競売物件自体の値段が上昇傾向にあり、現在では、「それほど割安感がない」という言い方もされるようになってきました。
不動産業者からの相談でも、ノウハウがない会社が手を出そうとするのは止めていますので、一般の方は、さらに、安易に手を出してはいけない物件といえるでしょう。

【監修:代表弁護士 山村 暢彦】

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