不動産購入でトラブルに合わないためにも業者選びは慎重に
不動産取引において、どこの不動産業者を選択するかとても重要です。
「不動産業者」と一言にいっても、免許の種類や業種・業態によって、それぞれ特徴があります。
不動産会社を選ぶ際のポイント
不動産会社は、デベロッパー(大手、中堅不動産会社)・建設会社・ハウスメーカー・工務店などに分けられます。
これらいずれの名称でも、不動産業を行うためには、宅建業の免許が必須となっています。
宅建業免許には、都道府県知事免許と国土交通大臣免許の二種類が存在します。
「都道府県知事免許」は、1つの都道府県のみで事業を行う場合に必要となります。
「国土交通大臣免許」は、2つ以上の都道府県で事業を行う会社に必要な免許です。
このため、大手不動産会社は国土交通大臣免許を取得しており、地方の不動産会社では都道府県知事免許であるこ
とが多いです。
また、免許票を確認すると( )内に数字が記入されています。これは免許の更新回数を意味しており、宅建業免許は5
年に1回の更新があります。( )内の数字が大きいほど長い年数で不動産業を行っており、信頼の指標となります。
デベロッパーやハウスメーカーを選ぶポイント
デベロッパーは大規模な不動産開発を手掛ける企業です。郊外のエリアで、宅地造成工事~建物建築~インフラ整
備などを一貫して行い、ニュータウン等を開発します。もちろん、大手という安心感はありますが、経営状況が良く
ない会社も存在します。大手上場企業であれば、株価が低迷している会社は避けるのが無難でしょう。
価格が相場より極端に安い、値引き交渉に容易に応じる業者にも注意が必要です。物件購入後に不動産会社が倒産
してしまい、取引の見通しが立たなくなってしまったというケースが、現実に存在します。
工務店を選ぶポイント
ハウスメーカーは注文住宅を主力としています。
ハウスメーカーの販売する土地は、建築条件付土地と呼ばれる土地が多いです。
建築条件付土地とは、土地の売買契約と同時に、建築請負契約も結ぶ取引形態で販売される土地です。
工務店は主に地元の小さな会社が多く、小さな工務店を検討するコツは、実績がある業者を選択することです。工
務店の経営状況等は、役所での建設業者名簿で確認することができます。
良い売主に出会うことで、気持ちのいい取引ができる
不動産取引を行う場合、良い業者に出会うことで納得いく取引につなげることができます。高額なケースが多い不
動産取引の業者選びは、慎重に行う必要があると言えるでしょう。
ご紹介したように、種別や、免許時期の観点以外にも、結局は、良い不動産会社・良い担当者と出会えるかどうか
は、非常に重要だと思います。
一般的に「不動産会社」と一括りにしていても、対応する業務内容は個々に違いがあり、「良い担当者」に全体的
なコーディネートしてもらうのが、良い取引につながることが多いです。
一方、トラブルになる際には、担当者との打ち合わせ不足、認識違いが引き金になっていますので、気安く相談し
やすい担当者を選ぶのは、本当に重要だと思います。
【執筆 松本和博 (宅地建物取引士試験合格)】
【監修 弁護士 山村暢彦】