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【弁護士が解説】少額から始められる?話題の「不動産小口化商品」とは|仕組み・リスク・法的ポイント

「不動産投資には興味があるけど、自己資金が足りない…」「空室リスクや管理の手間が不安…」

そんな悩みを持つ投資初心者に注目されているのが、「不動産小口化商品」です。不動産クラウドファンディングや不動産特定共同事業とも呼ばれ、ここ数年で急速に利用が広がっています。

この記事では、不動産・相続問題に強い弁護士が、不動産小口化商品の仕組みやリスク、法的なポイントをわかりやすく解説します。

1. なぜ「不動産小口化商品」が注目されているのか?

不動産投資

そもそも不動産投資とは、アパートやマンションを購入し、賃貸による収益を得る投資手法です。ミドルリスク・ミドルリターンとされ、現物資産としての安定感もあり、長年根強い人気があります。

しかし、大きなハードルとなるのが「初期投資額の高さ」です。地方の築古物件でも数百万円〜1000万円、都市部の区分マンションやアパート一棟ともなれば、数千万円〜億単位の資金が必要になります。

そのため、「興味はあるけど、手が出せない」と感じる人も多いのが実情です。
このようなニーズに応えるために登場したのが、不動産小口化商品です。

不動産小口化商品の仕組み

たとえば、8000万円のアパートを1人で購入する代わりに、「1口100万円」で80人から出資を募る、といった形で投資家を集めるスキームです。個人投資家は、小口(少額)から投資でき、不動産事業者は金融機関に頼らず資金調達できるという、双方にとってメリットのある仕組みといえます。

2. 株や投資信託に近い?不動産小口化商品の法的な位置づけ

投資

不動産小口化商品は、現物不動産への投資でありながら、その運用の実態は「株式」や「投資信託」に近い側面があります。

「共有名義」ではないことが多い

投資家が出資しても、法的には不動産の登記上の「共有者」になるとは限りません。多くの場合、「不動産特定共同事業法」という法律に基づき、匿名組合や任意組合などのスキームを利用して、出資者と事業者が契約関係を結びます。

そのため、投資家自身が不動産を管理・運営するわけではないという点が大きな特徴です。

出資したあとは、原則として運営に関与せず、賃料収入の一部を配当として受け取るだけです。この点で「オーナー業」に近い通常の不動産投資とは異なり、「投資信託型不動産投資」ともいえる仕組みとなっています。

3. 空室リスクはどうなる?メリットと注意点

空室リスク

メリット:少額で始められる/手間が少ない

不動産小口化商品の最大のメリットは、「100万円程度の少額から、不動産に投資できる」点です。また、管理・運営はすべて不動産事業者に任せることになるため、手間がかからず、初心者でも始めやすいのが特徴です。

さらに、不動産を相続税対策として活用したいが、1棟購入は難しいという方にも、小口化商品は選択肢となります。

注意点:空室リスク・事業者選びの重要性

ただし、以下のような注意点もあります。

  • 空室リスクは存在する
    小口化商品でも、賃料収入の元となる賃貸経営において空室が出れば、収益は低下します。最近は「空室保証」付きの商品もありますが、その分利回りが下がる、物件価格に保証コストが上乗せされている、などの懸念もあるため、盲目的に安心とは言い切れません。
  • 運営会社に経営を委ねる構造
    投資家が空室対策や修繕に口を出せない以上、信頼できる不動産会社を選ぶことが非常に重要です。過去の実績や運営体制、開示情報の充実度などを事前にチェックしましょう。
  • 換金性が低い
    株式のようにすぐに売買できるわけではなく、途中解約や売却には制限があることも。資金拘束されるリスクも想定しておくべきです。

4. 弁護士視点で見る「法的リスク」と今後の展望

今後

不動産小口化商品は、金融庁や国土交通省による監督を受けるスキームであり、法的にも厳格なルールがあります。不動産特定共同事業を行うには都道府県知事の許可が必要で、広告表示にも制限があります。

とはいえ、法的な整備があるからこそ、出資者の権利保護も図られやすくなっています。

今後は、クラウドファンディングとの連携やブロックチェーンを活用したデジタル証券(セキュリティトークン)との組み合わせなど、技術的進化も進んでおり、不動産投資の入口がますます広がることが予想されます。

まとめ.不動産小口化商品は「入口」としては有望。ただし見極めがカギ

  • 不動産小口化商品は、少額で始められる新しい形の不動産投資
  • 投資家は運用に関与できないため、事業者の信用がカギ
  • 空室リスクや換金性、収益性の限界もあるため、目的とリスクを理解して活用するべき

とくに、老後資金の一部や相続対策として検討する場合、「元本保証ではない」ことを前提に、リスクを適切に見極めて選ぶことが重要です。

【弁護士の一言】

大家業・不動産投資のご相談との関連で、話題に上ることもあるため、今回は、「少額な不動産投資」と呼ばれるような不動産小口化商品についてお話ししてみました。投資商品としては、私もまだまだ理解が足りないかもしれませんが、「融資を受けて、手元キャッシュ以上の大きな資産を運用する」という不動産投資の特徴が薄いので、どちらかというと、投資信託等の亜種として考える性質のものではないかと思っています。とはいえ、複雑に感じる制度ですので、基本的な事柄の概説ではありますが、少しでも参考になれば幸いです。

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