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不動産取引の相続 ~基本の基本1~

 今回は、不動産と切っても切れない『相続』についてお話ししたいと思います。

 顧問先の不動産会社を通じて相続のご相談が立て続けにありました。

 契約直前に相続が始まってしまうと、「せっかく契約が決まりそうだったのに…。」と内心感じることもあるかと思います。ですが、そういったトラブルにも親身に接することで、「相続の際に、こっちの不動産も整理してしまおうかな。」とチャンスにつながることもあるかもしれません。

 ですから、不動産会社の皆さまには、チャンスを広げるために、相続が発生した際の初期対応を覚えておいていただければと思います。

 
 その前に、相続が発生してしまうと、なぜ取引が止まってしまうのか。どうして、巷で「相続対策」といろいろ言われているのか、少しお話しします。

 通常、「売ります(売買)、あげます(贈与)」といったように、個人の約束によって、権利が移動します。ただ、相続は、そんな約束がなくても、人がお亡くなりになることで、自動的に権利が移動してしまいます。

 だから、売買契約の直前であっても、相続が発生してしまうと、その不動産が他人の物になってしまうから、売れなくなってしまうのです。

 そして、遺言書などでしっかりと事前の相続対策をしていなければ、もともと一つの権利が、複数の相続人に分割して移動してしまうから、やっかいなのです。

 次回は、相続初期に確認するポイントについてお話しします。


【文責 弁護士 山村暢彦】

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