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不動産のトラブル発生の推移状況

「不動産トラブル」というと、売買・賃貸など、それぞれどのくらいの相談件数があるのでしょうか?
今回は、不動産トラブルに関するデータをご紹介します。

不動産適正取引推進機構の不動産に関する紛争の相談件数

相談項目件数(件)割合(%)
売買関係2,73932%
賃貸関係4,77356%
その他97311%
相談件数合計 7,885

H29年度のデータですが、売買関係のトラブル相談件数よりも、賃貸関係のトラブル件数の方が多いようです。これは、日常的には、賃貸取引の方がボリュームゾーンあると考えられるため、大差をつけての結果であると考えられます。

相談者別件数割合

相談項目件数(件)割合(%)
一般消費者4,02251%
消費者生活センター1,65521%
宅建業者・業界団体1,63021%
その他5787%
相談件数合計 7,885  

これは不動産適正取引推進機構に寄せられた相談者について、どのような層からの相談が多かったかをまとめたものです。一般消費者からの直接の相談が最も多く、次いで各専門機関といったデータとなっています。

売買に関する相談内容別件数割合

相談項目件数(件)割合(%)
重要事項説明71226%
契約の解除59922%
瑕疵・欠陥問題43716%
報酬の請求・支払い2369%
手付金・申込拠出金1245%
その他63123%
相談件数合計 2,739

売買に関してみてみましょう。重要事項説明の相談件数がトップ、次いで契約の解除です。不動産売買では、相変わらず、重要事項説明が要注意ポイントになるということです。

また、これらの内容はいずれも契約書に明記されるべき内容ですから、やはり契約書の内容がトラブルの発生に大きく左右すると言えます。そのためには契約書内容の理解、どこがリスクになるのか、ポイントを読み解ける必要があるでしょう。

賃貸に関する相談内容別件数・割合

相談項目件数(件)割合(%)
原状回復1,53532%
契約の解除57812%
契約の更新2205%
瑕疵・欠陥問題68614%
重要事項説明3758%
契約の成立・申金等3026%
敷金・礼金812%
報酬の請求・支払561%
その他94020%

賃貸取引は、原状回復についてのトラブル相談が明らかに突出していると言えます。このことから原状回復については、契約初期段階から意識をしておく必要があるでしょう。

原状回復についてのトラブルを防ぐには、不動産業者と契約時に細かな契約内容も確認すること、入居前は立ち合いをしてもらい、入居前の傷や汚れを記録しておくなどの対応が考えられます。

参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「平成29年度の当機構における不動産相談」
http://www.retio.or.jp/info/pdf/soudangaiyou.pdf

【監修:弁護士 山村 暢彦】

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