不動産トラブルが起きる、そもそもの理由とは?
「不動産」と聞くと、売買や賃貸における数多くのトラブルや事件を連想する人も多いのではないでしょうか。世間を騒がせる事件でも、その主役として「不動産」が出てくることも珍しくありません。
不動産トラブルが起きてしまう背景には、①取引金額の大きさ、②権利関係の複雑さ、などが挙げられます。
①取引金額が大きい
新築で不動産(マイホーム)を購入する場合は、数千万円の住宅ローンを組むことになります。この住宅ローンを35年~40年かけて返済していくわけですから、人生で一番大きな買い物は、不動産であると言われています。
不動産に関するトラブルは、大きな金額が動いてしまうため、深刻なトラブルになりやすいといえます。例えば、住宅に欠陥があったような場合では、業者側も工事施工に高いコストを負担しているため、欠陥を認めようとしない業者もいます。しかし、お客さま側としては高額な住宅ローンを組んで建てた家に欠陥があるとなれば、主張を譲るわけにはいきません。
不動産は高額商品であるため、トラブルが深刻化しやすいのです。
②権利関係が複雑
不動産は権利関係が複雑です。所有権・担保物件・用益物権など、様々な権利設定が可能です。しかし、これらを正確に理解できるだけの知識を、普通の人は持ち合わせていないことが多いです。それぞれの権利がお互いに絡み合うことで、複雑な権利関係を形成してしまい、それが原因でトラブルが生じてしまうことも見受けられます。
また、不動産の場合、それぞれの当事者の利害関係人も多いことも、トラブルが起きやすくなる要因です。例えば、相続財産として不動産が1棟しかないにも関わらず、複数人の相続人がいる場合や、賃貸物件を借りる際は、自分に問題がなくても、他の入居者のトラブルに巻き込まれることなどです。
困った時、どこに相談をすればいいのかを、知っておく
不動産との関わりを無くして、現代社会を生きることはできません。自分で家を購入する場合でも、家賃を払って借りる場合でも、常に不動産と関わって生きていくことになります。そして、不動産との関係性で、一切のトラブルに見舞われることなく生きていくのも難しいのが、現代社会です。
そんな現代社会での最善のリスクヘッジは、トラブルに合った時、困ったときに相談できるところを把握しておくことです。不動産のトラブル相談は専門知識が必須となるため、弁護士・司法書士・税理士・保険会社、行政窓口など、各専門家に相談するのが良いでしょう。
相談できる場所を知っておくというのは、大きな安心感に繋がるのではないでしょうか。
【監修:弁護士 山村 暢彦】