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裁判例ノック6本目 原状回復

弊所 弁護士・寺田の裁判例ノックですっ!!
皆さまに役立つ過去の裁判例を、ご紹介していきますっ!!

伏見簡裁 H7.7.18

【概要】

賃貸人が「まっさらに近い状態に回復すべき義務」がある特約を主張しましたが、認められなかった事例です。
賃貸人にとって、不利な内容となっています。「まっさらに近い状態」も、解釈の幅がありそうですね。

【結論】

賃貸人の主張を退け、敷金全額の返還を命じました。

「まっさらに近い状態」に回復すべき義務を負うことは、伝統的な賃貸借からは導かれず、客観的な存在が必要で、かつ、賃借人がその義務を認識し意思表示をしたことが必要であるとしました。本件では、同義務の説明がされたとはいえないもの判断の一つになりました。

「まっさらに近い状態」とは何を指すのか、そのような状態への回復義務のための客観的理由の存在はどのような場合に認められるのか、という部分が明示されないまま賃貸人に不利な結論が出された裁判例です。加えて、賃借人への説明も必要…とハードルの高さが際立ちました。

【文責:弁護士 寺田 健郎】

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