今回は、不動産法務の『専門性』についてお話します。
非常に沢山の不動産トラブルのご相談を受けて参りました。賃料不払の立ち退き請求、リフォームクレーマーから
の代金回収、売買決済の瑕疵担保責任追及、共有関係の解消案件、不動産オーナーの遺産分割etc…。不動産トラブル
と一言にいっても、多岐にわたり、『専門知識』としても非常に幅広いものが要求されます。
このような不動産トラブルを解決していく過程で実感するのは、(私自身が、常に専門知識をアップデートし続け
ることは前提に)、周りの方と協力し、「助けてもらう」ことが非常に重要だと感じるのです。
不動産トラブルでは、「不動産の価値」が問題になることが多く、依頼者の利益を最大化するために、客観的に出
せる指標だけでなく、不動産会社の方と協力し、「実勢価格」を主張し、勝負をかけた案件もありました。不動産売
買の局面では、和解案を考える上で、大きな割合を占める税金の算定のため、税理士さんと協力して処理した案件も
多いです。建築物の瑕疵が前提となる案件では、建築士さんとの協力が不可欠です。その他にも、本当に沢山の方に
助けてもらいました。
「お前、助けてもらってばっかりじゃねーか?!」という声が、聞こえなくもないですが…。
不動産の『専門性』は、これで良く、これが一番正しい形だと思っています。不動産トラブルには、色々な側面があ
り、それぞれの専門の方と協力し、依頼者にとって一番良い解決ができること、これこそが不動産トラブル解決のた
めに目指す形だと思います。
【文責 弁護士 山村暢彦】