不動産トラブルは、身近なトラブルである
不動産のトラブルというと、自分には関係のないことのように思えてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、実際には、皆さんの想像以上に不動産トラブルというのは、身近なものなのです。
不動産トラブルが発生する場面
身近な不動産トラブルの例を挙げてみましょう。
例えば、賃貸アパートに住んでいる人であれば、新しく引っ越してきた隣人との騒音トラブル、退去時の原状回復において入、居時から既にあった傷について補修費を請求されるなどのトラブルがあります。
戸建てであれば、近年の災害の増加により、住宅の欠陥などが発覚して、工務店との間で問題が生じてしまう例があります。また、相続に関する遺産分割等で、不動産の分配について、親族間で争いが発生することも増えているようです。
このように不動産トラブルは身近なものと認識して、万が一の紛争解決手段についても、把握しておくことが、とても重要と言えます。
弁護士に依頼した後は、交渉からスタートする
もし、何らかの不動産トラブルの当事者になった場合、早期解決のカギは弁護士に相談することです。
弁護士に依頼する=すぐに裁判と誤解している人も多いかもしれませんが、通常は、「交渉」からスタートすることになります。この場合、弁護士が依頼人に代わって、トラブルの相手に交渉を行うのです。
この交渉時点で解決するケースもあるため、早期解決を実現する近道は、弁護士への相談と言えるでしょう。もし、あまりにも当事者の意見に食い違いがある場合、調停や訴訟に進むことも考えられるため、弁護士に相談した方が良いでしょう。
調停を利用する場合
交渉の段階で決裂した場合、最終的には訴訟を利用することになります。ただし、第三者が介入することで解決に繋がる可能性がある場合は、調停を利用する方法もあるでしょう。
民事調停も利用できますが、建築関係など一定の種類の紛争については、都道府県の建築紛争調整も利用することができるでしょう。
訴訟は、最後の紛争解決手段
もし、交渉・調停でも解決が難しかった場合は、訴訟によって紛争解決を行うこととなります。訴訟は当事者の主張、立証によって当事者が合意、納得に至らなくても判決が下されます。実際には和解で終了するケースもありますが、内容次第では長い期間、争いが生じることとなる可能性もあります。
「早く解決したい」、こう考えるのであれば、不動産に特化した弁護士に依頼するのが最善の道と言えるでしょう。
【監修:弁護士 山村 暢彦】