学生向けのアパートを経営している大家さんは、入居者のトラブルが多く、困っている人が少なくないという実態があります。なかには深刻なトラブルに発生した事例もあり、ご紹介したいと思います。
学生向けアパートのリスクは、大きい?
学生向けアパート経営のリスクは、入居者の多くが血気盛んな若者であるという点です。まだ、学生で社会に出たこともなければ、人生経験も浅いため、つい自己中心的な行動を取りがちです。
若くてやんちゃであることは、決して悪いことではないですが、それが物件トラブルの原因となることが、しばしば見受けられます。
どんちゃん騒ぎ。近隣住人からクレームがくることも?
学生向けアパートでは、自宅で飲み会を開いて、どんちゃん騒ぎをする、楽器を演奏する、大きな声で友人と話すなど、騒音に関するトラブルが多い傾向にあります。
当然、入居者間でのトラブルも想定されますが、近所迷惑となり近隣住人から大家さんに直接クレームが入ることもあります。ひどいケースでは、近隣住人から法的な措置を講じられるリスクもあり、学生アパート経営の大きな懸念事項ともいえるでしょう。
≪実例≫ インターネットに、アパートに関する誹謗中傷が書き込みされた事例
事例:女性60代(学生アパート大家)
看護学生向けのアパートを経営しており、寮母も兼ねています。食事も提供しており、学生とは良好な関係を築けていると思っておりました。
しかし、ある学生に騒音に関してクレームがあったため、「もう少し静かにしなさい」と注意を促したところ、トラブルに発展してしまいました。注意をした後も、騒音によってご近所からクレームが続いた上に、インターネット上にアパート名を記載して、誹謗中傷を行われてしまいました。学校側や、保護者に相談をしたのですが、解決に至らず困っています。
このように深刻に悩んでしまっている大家さんが一定数存在していることからも、通常のアパート経営とは違う難しさが、学生向けの賃貸物件にはあると言えるでしょう。
このケースでは自分で直接対処したことで、インターネットへの誹謗中傷の書き込みなど二次被害が発生しています。
こういったトラブルは未然に防ぐためにも、入居時の規約を整備して禁止行為の明確化、場合によっては罰則なども設ける方法が考えられます。こういった規約の作成・見直し、賃借人とのトラブルも、弁護士に相談するのが解決の近道です。深刻になる前に、早めの対処が重要と言えるでしょう。
【監修:弁護士 山村 暢彦】