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遺言書のキホン

いざ相続が始まったとき、遺言書がないと相続人全員で財産の分割協議をする必要が出てきてしまいます。もめないためにも、法的に有効な遺言書を作成しておくことは大変重要なことです。

そこで今回は、遺言書の基本について見ていきます。

遺言書には以下の3つの種類があります。

●自筆証書遺言

本人が作成する遺言です。法的に有効となるためには、様々な要件を満たす必要があり、無効となるケースも多いので注意が必要です。なお、2019年の法改正により全ての文章を自署する必要はなくなりましたが、遺言書本文は自署が必要となります。

遺言書の保管については、従来は本人が保管をしていましたが、法改正により法務局で遺言書を保管してもらえる制度がスタートしました。偽造リスクがないため、この制度を利用した場合は、従来必要であった家庭裁判所による開封手続き=「検認」の手続きが不要となります。

●公正証書遺言

公証人が作成する遺言です。本人は遺言の内容を決めて、公証役場に行き、公証人がその内容を書面に作成します。利害関係のない成人2名以上の証人が必要です。

完成した公正証書遺言の原本は公証役場に保管され、作成者には正本が渡されます。

公証人が作成するため、内容不備の心配がない点にメリットがあります。

●秘密証書遺言

本人が作成する遺言です。遺言書に封をして、内容は秘密にしたまま公証役場に持参し、公証人にその「存在」を証明してもらうものです。

公証人は遺言書の内容を確認していないため、内容に不備がある可能性があるので注意が必要です。なお、遺言書の保管は本人が行います。

【弁護士の一言】

教科書通り3つのパターンをご紹介しましたが、実務的には、「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」の二択です。

時間とお金がかかるが「確実性の高い」公正証書遺言か、すぐに作成できお金がかからないが「トラブルの種が残る」自筆証書遺言か、です。

自筆証書は曖昧な内容で余計にトラブルになってしまう、法務局や金融機関の手続でエラーが生じてしまうという点がどうしてもあります。費用は発生してしまうのですが、相続財産の金額も多額であれば、やはり安定性重視で公正証書遺言をおすすめします。

【監修:代表弁護士 山村 暢彦】

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